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AIが変える人材開発の未来 「戦略的ラーニングアーキテクト」という新たな役割
はじめに:「研修の担い手」から「学習の設計者」へ AIの急速な進化は、Learning & Development(L&D)の世界を根本から変えつつあります。ATD(Association for Talent Development)の TD at Work最新号 では、L&D担当者がAIを活用して「戦略的ラーニングアーキテクト(Strategic Learning Architect)」へと進化するための具体的フレームワークが提示されています。 これはただのツール活用の話ではありません。組織の学習文化そのものをどう設計し、どうガバナンスし、どう継続的に価値を生み出すか――その全体設計者としての役割が、今L&Dに求められているのです。 AIがもたらすL&Dの3つの変革軸 Debbie Richards氏は、AIがL&Dにもたらす変革を3つの軸で整理しています。 ① Enablement(イネーブルメント):学習者の可能性を解き放つ AIによるパーソナライズド・ラーニングは、一人ひとりの学習者のペース・スタイル・ニーズに合わせたコンテンツ提供を可
3月4日


フォロワーが求める4つのニーズとは? Gallup「Global Leadership Report 2025」が示すリーダーシップの本質
はじめに:「フォロワーの視点」からリーダーシップを問い直す Gallup社はWorld Governments Summit 2025との共同研究として 「Global Leadership Report: What Followers Want」 を発表しました。52カ国・72,439件の回答を分析した大規模調査であり、国・文化・年齢・リーダーの種別を超えて共通する「フォロワーの根本的なニーズ」を明らかにしています。 リーダーシップとは、権威や肩書きによって成立するものではなく、フォロワーが自らの意志でリーダーを信頼し、その方向に向かうことで初めて機能します。では、世界中のフォロワーはリーダーに何を求めているのでしょうか。 調査概要:Gallup Global Leadership Report 2025 調査対象国:52カ国(30言語で実施) 調査主体:Gallup × World Governments Summit 2025 回答数:72,439件 調査手法:Webアンケート(25カ国)+対面インタビュー(27カ国) 各国サンプル数:n=
3月4日


AIコーチングは人間コーチの代わりになるのか? 世界最大級の人材開発研究(ATD)が示した答え - ATD25続編
ATD25で最もホットだったテーマ「AIコーチング」 2025年5月、ワシントンDCで開催されたATD International Conference(ATD25)。世界83カ国・8,400名が集結したこの会議で、私個人が持ち帰ったテーマの中でも最も印象深かったテーマの一つが「AIコーチング」でした。 帰国後に開催したATD25報告会(参加者70名以上)でも、参加者から最も多く寄せられた質問がこの質問でした。 「AIコーチは、人間のコーチを代替するのですか?」 本記事では、ATD25の学びをベースに、 ATD TD at Work 2025年11月号 (Lindsay Bernhagen & Al Dea著「Amplify Leadership Development With AI Coaching」)および McKinsey QuantumBlack (2025年8月)の最新知見を加えながら、この問いに正面から向き合います。 本記事は「ATD25レポート」の続編です。 ATD25全体の報告 は別のブログ記事をご覧ください。...
3月4日


ATD25ワシントンDC開催レポート:2026年LA開催に向けて知っておきたいこと
2025年5月18日〜21日、ワシントンDCで開催されたATD25。 世界最大規模の人材育成国際会議 ATD International Conference & Expo (通称:ATD-ICE) 現地で参加してきました。今年のテーマは”Collective Insights. Lifelong Learning.”。帰国後、参加者の皆さまと共に報告会を実施し、グローバルの最新トレンドや学びをシェアする機会を持ちました。 2026年は ATD26ロサンゼルスでの開催 が決定しています。参加を検討されている方、初めての参加を予定されている方にとって、少しでも参考になればと思い、報告会の内容を中心にATD25の様子をご紹介します。 ATD25:数字で見る大会の規模 今年のワシントンDC開催には、8,400名が参加。海外からは83カ国、1,300名以上が集結しました。日本からの参加者は146名で、カナダ、インドに次いで3番目に多い参加国となりました。 会期中、約400のセッションが13のラーニングトラックに分類され展開されました。現地で参加できるセッ
1月18日


新入社員受け入れ準備の新常識:「エバーボーディング」
従来のオンボーディング指標からの脱却 春の新入社員受け入れに向けて準備を進めている時期かと思います。 TDマガジン最新号 より、オンボーディングの新しいアプローチをご紹介します。 従来の指標では、ビジネスへのインパクトを証明できない 『Move on From Traditional Onboarding Metrics(従来のオンボーディング指標からの脱却)』(著者:Amber Watts)は、多くの企業が依存している以下の指標に警鐘を鳴らします: 完了率 出席率 初日の満足度調査 これらは単なる「活動(Activity)」の記録に過ぎず、経営層が本当に知りたい「その投資がビジネスを改善したか?」という問いに答えられていません。 なぜ従来の指標は機能しないのか? 1. 完了 ≠ 能力 モジュールの「次へ」ボタンをクリックしたからといって、仕事ができるようになったわけではありません。完了率100%でも、目標達成率が低いケースは多々あります。 2. 満足度 ≠ 定着力 入社5日目の満足度が高くても、180日後もエンゲージメントが高く維持されていると
1月18日


グローバルトレンド:「Use AI」から「With AI」へ
プロンプト技術よりも、AIと「対話しながら考える」力が重要な時代 TDマガジン最新号 より、人材開発のグローバルトレンドを象徴する注目の記事をご紹介します。 プロンプティングが問題だ ATD TDマガジン2026年1月・2月号に掲載された『Prompting Is the Problem(プロンプティングが問題だ)』(著者:Josh Penzell)は、生成AIトレーニングの在り方に一石を投じる内容です。 現状の課題:「構文」重視のトレーニングの限界 多くの企業が実施しているAIトレーニングは、こんな内容ではないでしょうか? 「まず役割を設定してください」 「次に文脈を追加します」 「最後に出力形式を指定しましょう」 このようなプロンプトエンジニアリング(完璧な指示文の構文を教えること)は、一見理にかなっているように思えます。しかし、筆者は3つの深刻な問題を指摘しています。 問題1:AIの挙動は常に変化する AIモデルは決定論的(常に同じ答えを出す)ではなく、確率論的です。ハーバード・データ・サイエンス・レビューの研究によると、GPT-4の数学問
1月18日


新年の目標を立てるとき:心理学が教えてくれる「意味のある人生」のための10の知見
新年の目標を立てる時期、私たちは「どうすればより良い人生を送れるのか?」と考えます。 Greater Good Science Center(カルフォルニア大学バークレー校) が毎年発表している「意味ある人生の科学」から得られた知見は、その答えのヒントを与えてくれます。 2025年に発表された研究の中から、専門家チームが選んだトップ10の知見をご紹介します。今年の目標設定や組織づくりの参考にしていただければ幸いです。 1. 希望を持つことが、人生に意味をもたらす ポジティブな感情の中でも、特に「希望」が意味ある人生において重要な役割を果たすことが、 Emotion 誌に発表された研究で明らかになりました。 大学生を対象にした調査で、ある時点で希望を感じていた学生は、学期の後半により高い意味感を報告しました。興味深いことに、一般的なポジティブ感情では同じ効果が見られず、 希望が特別な役割を持つ ことが示されました。 さらに、その希望が現実的かどうかは関係ありません。 希望という 感情 を持つこと自体が重要なのです。 楽観的なニュースを読んだ人は希望
1月18日


2026年の目標達成に必要なのは「意志力」よりもあなたの「ウェルビーイング」
新年あけましておめでとうございます。 2026年が始まりました。今年をどんな年にしたいのか、すでに目標を立てられた方も多いのではないでしょうか? 今年こそダイエットを成功させる! 毎日運動する習慣をつける スマホの時間を減らす こうした目標を立てたとき、私たちはつい「もっと意志力があれば」「もっと根性があれば」と考えがちです。しかし、 Greater Good Science Center(カルフォルニア大学バークレー校) の最新研究が、この前提を覆す興味深い発見を報告しています。 目標達成の方程式が逆だった 従来、私たちはこう考えてきました: 「強い意志力で目標を達成する → 幸せになれる」 しかし、新しい研究はこれが逆であることを示しています: 「心身が健康で幸せである → 自己コントロール力が高まる → 目標を達成できる」 シンガポール国立大学の研究員Shuna Khoo氏は次のように述べています。 「自己コントロールに苦しんでいるからといって、必ずしも意志力や根性が根本的に欠けているわけではありません。心理的ウェルビーイングと日々良い気分
1月18日


幸せは「お裾分け」できる!&ホリデーシーズンに観たい映画8選
2025年12月テーマは 『共に喜びを見つけよう』 Calendar(月刊幸せカレンダー)は、幸福への1日1日のガイド。 Greater Good Science Center(カルフォルニア大学バークレー校) が監修する、有意義な人生のための科学に基づいた実践法の中でも私のお気に入り。 毎日の行動にちょっとした意図を込めることで、幸福感や人間関係、心の健やかさが高まることが研究で示されています。 このカレンダーは、そんな小さな実践をサポートしてくれるツールです。 他人の幸せを喜ぶと、自分も健康になる!? 「友だちに良いことがあったら、自分のことのように嬉しい」──そんな経験、ありませんか? 実は、この「他人の幸せを自分の喜びとして感じる」ことが、あなた自身の健康にも驚くほど良い影響を与えることが、最新の研究で明らかになりました。 ▼元記事(英語) https://greatergood.berkeley.edu/article/item/the_surprising_health_boost_of_feeling_happy_with_som
2025年12月10日


リーダー・マネージャー必見:リーダーの成長が止まる時
HBRが明かす成長停滞の真因と、成長を再起動させる実践的アプローチ 「自分は力不足ではないだろうか」 「準備ができているかどうか、自信がない」 新しい任務を与えられたマネジャーが、こうした不安を抱くことは珍しくありません。しかし、より深刻な問題があります。それは、優秀で野心的だったマネジャーが、ある時点から成長を止めてしまうという現象です。 Harvard Business Reviewの記事「リーダーの成長が止まる時」(リンダ・A・ヒル、ケント・ラインバック著) では、驚くべき事実が明らかにされています。多くのマネジャーが、ある程度の習熟度に達すると、そこで立ち止まってしまう。もっと先にまで行けるはずなのに、自己研鑽を止めてしまうのです。 本記事では、HBRが指摘する成長停滞の要因を紹介するとともに、私自身が6,000人以上のリーダーを支援してきた経験から、成長を再起動させるための実践的なアプローチをお伝えします。 年末のこの時期に、改めてご自身のリーダーシップを見つめ直すきっかけとしていただければ幸いです。 Part 1: HBRが明らかにす
2025年12月10日


リーダー・マネージャー必見:心理的安全性をテコに健全な対立と学習を促す
HBRが指摘する6つの誤解と、実践への道筋 「心理的安全性」という言葉は、もはや組織開発の必須キーワードとなりました。Googleのプロジェクト・アリストテレスの研究や、ハーバード大学/エイミー・エドモンドソン教授の研究によって、心理的安全性が高いチームほど高い成果を上げることが実証されてきました。 しかし、その重要性が広く認識される一方で、本質的な誤解も広がっています。 Harvard Business Reviewの最新記事「心理的安全性をテコに健全な対立と学習を促す:ありがちな6つの誤解と対応策」(エイミー C. エドモンドソン、ミカエラ J. ケリッシー著) では、多くの組織が陥っている誤解が明らかにされています。 本記事では、HBRが指摘する重要なポイントを紹介するとともに、私自身が6,000人以上のリーダーを支援してきた経験から、日本企業にとって、真に機能する心理的安全性を構築するために具体的にどうすればよいのか?実践的なアプローチをお伝えします。 年末のこの時期に、改めてご自身のリーダーシップを見つめ直すきっかけとしていただければ幸
2025年12月10日


日本の職場が直面する「エンゲージメント危機」〜Gallup社レポート
ギャラップ社の最新レポート 『変革への挑戦:日本の職場の新しい姿』 は、衝撃的な数字を示しています。 日本の従業員エンゲージメント比率はわずか7%─世界最低水準 93%の従業員が「エンゲージしていない」状態にあり、この状況が日本経済に年間約5,240億ドル(GDPの12%)の損失をもたらしていると推計されています。 さらに深刻なのは、過労に関連する労災請求件数が過去最高を記録し続けていることです。特に精神障害に関する請求は、令和2年度の608件から令和6年度には1,057件へと約1.7倍に増加しています。 なぜこのような事態になっているのでしょうか? レポートは、日本企業が「テクノロジーとビジネスプロセスに重点を置く一方で、人間関係の重要性を見過ごしてきた」と指摘しています。システムは整備されているものの、そのシステムを利用し、持続的な成長の原動力となる人間関係が軽視されてきたのです。 特に印象的なのは、「若者の静かなる革命」という指摘です。若い世代の従業員は、声高に抗議するのではなく、「静かに退職」することで企業の待遇に異議を唱えています。彼ら
2025年11月11日


「すべての輝くものが金とは限らない」──新技術をどう見極めるか
AI、VR/AR、ウェアラブルデバイス...次々と登場する新技術。経営層からは「なぜうちはまだこれをやっていないのか?」という圧力。ベンダーからは魅力的なデモと約束。 しかし、すべての新技術が、あなたの組織に価値をもたらすわけではありません。 TDマガジン11月号 掲載の記事「All That Glitters Is Not Gold(すべての輝くものが金とは限らない)」は、まさに私たちが直面している課題を見事に言語化しています。 技術導入における「Driving(主導)」と「Drifting(漂流)」の違いを鋭く指摘 記事の著者Betty Dannewitzによると: Driving(主導)の例: ある物流会社は、季節採用が30%急増し、そのほとんどがフルリモートの役割であることを見越して、360度バーチャルオンボーディングツアーとモバイルマイクロラーニングを展開しました。結果?能力習得までの時間が以前のプロセスと比較して25%短縮されました。 Drifting(漂流)の例: プロジェクト進行中に突然新しいツールが登場。経営陣が「試してみよう」
2025年11月11日


仕事人生でより幸せになる方法
ハーバード大学/アーサー・ブルックス教授の新刊『The Happiness Files』より 本書籍では、仕事と人生においてより多くの愛、喜び、満足感、そして意味を見出すための科学的根拠に基づく戦略について提案しています。 幸福度を高めるための3つの要素を実践すれば、幸福は持続する。 科学を理解すること - ゴルフのスキルや数学を定着させるための要素と同じく、”理解”が基盤 習慣を変えること - 知識を実践に移す 教師になること - 他人に説明して教える 過去5年間で人生と仕事について最も影響力があったと読者が選んだ33本のコラムを一冊にまとめた本書は、一ヶ月間、毎晩一編ずつ読めるような構成になっています。 読者は寝る前に一編読み、科学に基づいたこれらの考えを明日どう実践するか、少し話し合ってみることが推奨されています。 成功と幸福の関係について 母なる自然は幸福について絶えず嘘をつく、とブルックス氏は指摘します。 主な方法の一つは、世俗的な成功への衝動に従えば幸福を得られると言うことです。世俗的な成功への衝動は4つあり、アリストテレスの思想に由
2025年11月10日


11月:「感謝できる小さなことを見つけてみる」 〜幸せカレンダーより
2025年11月テーマは 『感謝できる小さなことを見つけてみる。』 Calendar(月刊幸せカレンダー)は、幸福への1日1日のガイド。 Greater Good Science Center(カルフォルニア大学バークレー校) が監修する、有意義な人生のための科学に基づいた実践法の中でも私のお気に入り。 毎日の行動にちょっとした意図を込めることで、幸福感や人間関係、心の健やかさが高まることが研究で示されています。 このカレンダーは、そんな小さな実践をサポートしてくれるツールです。 11月のテーマ:感謝できる小さなことは「人間関係」という普遍的なテーマと繋がっていると思います。最新の脳科学とテクノロジーの視点から掘り下げてみたいと思います。 今回は、2つのGGSC記事からサマリーをご紹介します。 リーダーとして、そしてコーチやコンサルタントとして、人との関わりは私たちの仕事の中核をなすものです。だからこそ、その本質を改めて理解し、同時に私たちを取り巻く技術環境の変化を見極め、そして私たちの取り組みの価値を適切に可視化することが、より効果的な支援や
2025年11月10日
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