用語解説
ポジティブ・リーダーシップ
ポジティブリーダーシップとは、リーダーが自身と組織の強みに着目し、ポジティブな影響を与えることで、社員の成長と組織の成果を最大化するリーダーシップスタイルです。実際、成功しているリーダーは、メンバー個々の強みや潜在能力を信じ、彼らの最も良い面を引き出すことで、目覚ましい成果を上げているのです。
■ 従来の指示・管理型マネジメントとは異なるアプローチ
ポジティブ心理学の拠点の1つである米国ペンシルベニア大学の研究では、リーダーがエンゲージメントやウェルビーイングを向上させることで、組織の持続的な成長につながることが示されています。
ポジティブリーダーがとるアプローチは、従来の指示・管理型マネジメントとは異なるアプローチです。部下のパフォーマンス・マネジメントをある時点の点で捉える管理者というよりむしろ、パフォーマンス・ディベロップメントのアプローチです。継続的な関わりの中で、部下の潜在能力を引き出し、パフォーマンス向上と持続的な成長支援、自律的なキャリア形成をも支援する役割を担います。組織の持続的成長を促進するために、「エッジのきいた個人」を育成し、イノベーションや創造性を引き出す環境づくりを重視します。
■ ポジティブな逸脱を促進するための4つの戦略
ポジティブ組織心理学の第一人者と言われるキム・キャメロン教授(ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス)の著書「困難な組織を動かす人はどこが違うのか?」(高橋由紀子 訳)では、リーダーが「ポジティブな逸脱」を促進するための4つの戦略を提唱しています。
1. ポジティブな組織風土の構築:
思いやり、寛容、感謝といった徳のある行動を育むことで、ポジティブな感情が支配的な職場環境を作り出します。
2. ポジティブな人間関係の促進:
ポジティブエネルギーを発信する人々とのネットワークを構築し、個々の強みを強化することで、組織全体の活力を高めます。
3. ポジティブなコミュニケーションの推進:
強みに焦点を当てたフィードバックやサポーティブなコミュニケーションを通じて、組織内の連携と信頼を深めます。
4. 仕事のポジティブな意味づけ:
従業員が自身の仕事に意義や目的を見出せるよう支援し、モチベーションとパフォーマンスの向上を図ります。
これらの戦略を通じて、リーダーは組織内にポジティブな文化を醸成し、困難な状況下でも卓越した成果を達成することが可能となります。
クラリティアンが提供するリーダーシップ研修・ワークショップでは、ポジティブ心理学と脳神経科学の知見を活かし、ポジティブリーダーシップを実践するスキルを提供します。ポジティブな職場文化を構築し、社員一人ひとりが主体性を持ち、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を創り出します。