用語解説
エンゲージメント
「エンゲージメント」には代表的なものとして2つの考え方があります。
この2種類のエンゲージメントの定義が曖昧なまま、議論されているケースが多いのが現状です。また、エンゲージメントを単に「社員満足度」と捉え、福利厚生の充実や報酬制度の改善のみで向上を図ろうとする誤解が見られます。日本国内において厚労省も経産省も重視しているエンゲージメントとは、そもそも何なのでしょうか。
■ 厚生労働省の推奨による「エンゲージメント」とは
厚労省推奨:エンゲージメントとは、「ワークエンゲージメント」を指す。ワークエンゲージメントとは、個人と仕事との関係性に着目。
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仕事のやりがい(誇り)
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仕事への熱意
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仕事から得る活力
仕事のやりがい(誇り)を感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ている状態を指し、個人と仕事との関係性に着目しています。
このワークエンゲージメントの3要素は、オランダ・ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授が提唱した仕事に対する積極的な姿勢を表す概念です。
出典:厚生労働省「労働白書」
■ 経産省の推奨による「エンゲージメント」
経産省推奨:エンゲージメントとは、「従業員エンゲージメント」を指す。
個人と組織との関係性に着目。社員が仕事に熱意を持ち、組織の成功に主体的に貢献しようとする姿勢を指します。グローバル最大級のエンゲージメント調査Q12を実施しているGallupの定義では、「エンゲージメントの高い社員は、仕事に情熱を持ち、職場での革新や価値創造に積極的に取り組む」とされています。
Gallupの調査によると、エンゲージメントの高い企業は、低い企業と比較して生産性が18%向上し、離職率が51%低下、収益性が23%向上することが示されています。
出典:ギャラップ社ウェブサイト
しかし、日本のエンゲージメントスコアは国際的に見ても低水準であり、多くの企業で社員の主体性や組織への貢献意欲の向上が課題となっています。
エンゲージメントの本質は、個人が仕事や組織に対して主体的に関与し、価値を創造する姿勢にあります。最高の職場では従業員が一人の人として認められ、重要なビジネス成果を向上させるためのリーダーシップや組織文化の改革、社員の強みの活用などを促進する取り組みが不可欠です。
クラリティアンの研修ワークショップでは、ポジティブ心理学と脳神経科学の知見を活かし、リーダーや管理職が社員の「強み」に焦点を当てることにより、一人ひとり違う内発的動機を引き出す方法を学びます。また、心理的安全性や信頼関係の構築を通じて、エンゲージメントを高め、持続的な組織成長を促進する実践的なスキルを提供します。