「適応性(Adaptability)」は単なる対応力ではなく、変化への積極的な関わり 注目記事ご紹介ーATD TD Magazine 2025/10月号
- Satomi Uno

- 10月13日
- 読了時間: 4分
TD Magazineは、世界最大の人材開発専門家の非営利団体であるATD(Association for TalentDevelopment)が発行する定期刊行物です 。2025/10月号のトピックをご紹介します。
Develop Adaptability for a More Resilient Company
By Andrew Harrison
変化を脅威と見るか、成長のチャンスとみるか。
この記事では、今日の不安定な環境において、適応性 (adaptability) を、組織の競争戦略の一部として開発することの重要性を強調しています。
変化が激しい現代において、適応性はもはや「ソフトスキル」ではなく「サバイバルスキル」と見なされています。
CCL(the Center for Creative Leadership)は、適応力の欠如が、それまで成功してきたマネージャーのキャリア脱線(derailment)の主要な原因であると長年指摘してきました。企業の人事・人材開発に携わるプロフェッショナル及び対人支援の専門家は、従業員やクライアントが変化の急流を乗り切ることができるように何ができるでしょうか?
その答えは「適応性」をスキルとして、またカルチャーとして育成することにある。
仕事の文脈とアプローチ
仕事の文脈は、適応のアプローチを決定します。
イノベーション・コンティニュアム:
仕事のタイプを漸進的(進化論的)、革新的(革命的)、中間(拡張的)の3つのカテゴリーに分類。最も適応性の高いリーダーやチームはこれらすべてにおいて活動することができるのです。
従業員が個人の仕事の好み(preference)と仕事の文脈を理解することで、非自然的(unnatural)な状況でいつ、どのように行動すべきかを判断できるようになります。
適応性の測定と開発
適応性を高めるには、それを測定し、トレーニングを提供することが有効です。
アセスメントツール: TDプロフェッショナルは、Innovation Strengths Preference Indicator、Workplace Big Five、またはDiSCなどのアセスメントツールを使用して、個人やチームが変化にどのように反応するかについての洞察、フレームワーク、および言語を提供できます。
アセスメントは、従業員が自分の好みを認識し、成功に不可欠な状況では、不慣れな(非自然的)な水域に入り、適応するためのスキルを活用するのに役立ちます。
心理的安全性との関係
適応性の文化には心理的安全性が不可欠です。
心理的安全性は、アイデア、懸念、課題を表明できる文化、リスクテイクに関する行動、失敗への対応、助けを求めることへの快適さ、チーム内の説明責任といった対人ダイナミクスに関連します。
心理的安全性が高いチームほど、回復力と適応性が高くなります。
人材開発に携わる担当者は、リーダーがオープンマインドや非審判的な姿勢を奨励するグラウンドルールを設定し、つまずきを学習機会と見なすよう支援することで、心理的安全性の文化を促進することができます。
ロードマップ
適応性を開発するためのロードマップは、以下を含みます。
1. 成功に必要な目標と仕事のタイプを定量化し、適切な焦点とタイミングを調整する。
2. 個人的な仕事や変化の好み、コラボレーション相手の好み、および操作する必要のある条件について、洞察、言語、およびトレーニングを提供するフレームワークを使用する。
3. 心理的安全性を具体的なものにし、そのデータポイントをリーダーシップとチーム開発への文化的な統合を促進する
TDプロフェッショナルは、リーダー・マネージャーがさまざまな目標、仕事のシナリオ、多様な個性に対応する能力を習得できるよう支援することが重要です。
TD Magazine:世界最大の人材開発専門家の非営利団体であるATD(Association for TalentDevelopment)が発行する定期刊行物です。この雑誌は、最新の人材開発のトレンド、ベストプラクティス、研究成果などを紹介、効果的なトレーニングプログラムの設計と実施方法・次世代リーダー育成戦略やリーダーシップ開発・テクノロジーの最新動向とその活用方法・組織開発などのトピックを取り扱っています。
日本の人事・人材開発担当者や対人支援者にとって、グローバルな視点からの洞察を得る貴重なリソースとなります。最新の人材開発の動向を把握し、自身の専門性を高めるための有益な情報源として、TD Magazineの活用をお勧めします 。



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